オスモカラー塗装講座(床編)〜その2

さて、準備はOKですか?
では頑張っていきましょう!


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..とその前に、前回記事の「使用材料」ですが、とくに「オスモカラー」は、店頭での扱いが意外に少ないです。
近くに大きなホームセンターがあればいいですが、引っ越し前の忙しい時ですから、探しまわるよりもネットで買っちゃった方がいいです。他の道具類もまとめてネットで..どうでしょうか。
さて、始めましょう。
1.下ごしらえ
すでに書いた通り、「下ごしらえ」が大切です。
まずはキレイに床面をととのえます。
かるくゴミを掃いてから、全体にサンドペーパーを掛けます。
張りたてのフローリングの表面はもちろん滑らかなのですが、ここで一度サンドペーパーで処理しておくべきです。最後の仕上がりが違ってきます。
けっして強くコスる必要はありません。ボロ布を30cmくらい用意して片手で握れる程度に丸めてボール状にして、それをザラザラ面を外にしたサンドペーパーでくるみます。そして、それで床面を木目に沿って2〜3回かるく撫でてあげればOKです。「かるく、やさしく」です。やりすぎると削りカスがいっぱい出ますし、ツルツルになりすぎちゃいます。ボロ布を丸めたほどよい弾力感がポイントです。
もう一つのボロ布を用意。左手でカスを拭き取りながら作業を進め、全体を処理したら、最後に掃除機で残ったカスを吸っておきます。とくにフローリングの目地を重点的に。
2.マスキング・養生
さて、これも重要な「マスキング」。
何人か作業員(お友達など)がいる場合、別部隊を編成しましょう。
手先が器用な人がいたら、是非こちらに配置。
さてやり方。マスキングテープを、床と壁のキワの「巾木」という部分に貼っていきます。あまりギュッと貼りますと、あとで剥がす時面倒ですから、あくまでも弱めに押さえてください。ただし、床とのキワ(一番すみのカド)だけは、ツメできゅっと押さえてください。毛細管現象でネタが入り込むのを防ぎます。
そして、養生(よごれ止めカバー)は、マスカーなどで必要箇所に。
ここで重要事項!この時点で塗装作業のルートを考えておきましょう。
塗装作業は当然、部屋の奥から塗ってきますが、先述のテープ剥がしや塗り終わりの最終地点への手順を考えておいてください。塗り終わった!!というときに、部屋の奥に作業員が取り残されたり、道具の忘れ物..といった悲劇を生まないために!
作業ルートは、床にマスキングテープを貼って明示しておくのが良いと思います。
3.塗装作業
さて、いよいよです。
手袋をして、オスモカラーを容器に取り分けます。満タンに入った製品缶から別容器に取り分けるのはちょっとコツがいります。ドバッとこぼさないように!!スペース的に可能なら、事故に備えて「材料場」は安全なところに確保しましょう。(最初にふたを開ける前に、逆さまにして思い切り缶を振っておいてください。オスモカラーは、オイルの中に大量のワックス成分が入っています。最初にしっかり撹拌しておくのが吉です。)
ここから塗り方です。
小分けした容器から刷毛に適量のネタをつけて、それを床面に”置いて”いきます。刷毛で”塗る”のではなく、”
置く”感じ。十〜数十センチおきに5〜6箇所ちょんちょんと適量のネタを床に置いていきます。そのあとコテ刷毛を使って、そのネタを伸ばすように塗り広げていきます。(小分けした容器には、直接コテ刷毛を入れません。塗料を消費しすぎてしまいますので。)
1回面の塗りですから、ムラはさほど気にせずOKです。塗り残しがなければOK。1回目塗りでは、フローリングの板が結構ネタを吸います。思ったように塗れないかもしれませんが、じゃんじゃん進めてください。すぐにコツはつかめます。
前に書いた「作業ルート」に気をつけて、最後まで塗ってください。
万が一、塗り残しや道具の忘れ物に気づいた時、ここでボロ布が役に立ちます。何枚かの新しいボロ布を飛び石状に置き、その上を歩いて目的地点まで。戻るときは、置いたボロ布を撤去しながら、その置き跡の塗装面をかるくなじませていきます。
4.乾燥
夏場なら、朝イチに作業開始、夕方(夜)に2度塗り開始..も可能ですが、一般的には次の日まで乾燥を待ってから2度塗り開始です。冬場は、もっと期間をおいたほうがいいでしょう。
使った道具類は、ビニル袋にいれてギュッと縛っておけば、乾かないで次もつかえます。(前の記事参照。自然発火防止に、安全な場所においてください。)
5.下ごしらえpart2
乾燥したら、再度下ごしらえです。
1回目塗りの乾いた後は、意外と表面はザラザラ。塗装面が微細なデコボコになっています。これを再度(1回目と同様に)サンドペーパー掛けします。これも「かるく、やさしく」でOKです。カスの除去も同様です。
6.仕上げ塗り
サンドペーパー処理が終わったら、2度塗り目開始です。1回目より使う塗料は少なめ。もうネタがフローリングに吸い込まれることもありません。仕上げですから、前回より少し丁寧に。
この仕上げ塗りでは、「塗り残し」がちょいちょい発生します。1回目と違って、塗ったあとがわかりにくいのが理由です。できれば、ときどき目線をかえて確認しながら塗り進めてください。
7.仕上がり
2回目塗りが乾いたら、完成です。
塗り残しがあったら、ボロ布にほんのちょっとだけネタをつけて、かるく塗ってください。
残った塗料はしっかりフタをして保管して下さい。何年か後のメンテナンスに使うことになりますが、時間を置きすぎると、内部で缶に表面(特にフタ裏)と反応して変質してしまいますので、長期保存はお勧めしません。難しいですが、できるだけピッタリな分量の購入にチャレンジしてください。
使った刷毛、ボロ布、容器類は、シンナー類で手入れして保管するか、発火に注意して処分してください。
8.メンテナンス
無垢材&オイル塗装というのは、素材感重視のモノです。
多少のキズは気にしないでいきましょう。
目立つ汚れやキズは、サンドペーパーなどで削って、その上をオスモカラーで再塗装..そんなことができるのは、この素材だからです。
何年で塗り直しか?というルールはありません。部屋の使い方などにもよりますし、一概には言えません。基本的には、1回目塗りの時に実感していただいた通り、フローリングの表面にはネタが吸い込まれていますので、塗装の効果がゼロになることは、ほぼあり得ません。あとは、「美観」というものをどう考えるか?という住む人自身の判断でいいのではないでしょうか?
「家」とともに生きていく..という感覚は、まさに「無垢材&オイル塗装」という素材ならではのこと。
楽しんで暮らしていってください。