新しい住宅プロジェクト、名前は「クウソウノイエ」。
設計作業は着々と進行中です。
(130716ちょっと加筆)
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新しい家づくりは、いつも空想(クウソウ)からスタートします。
ありあわせのプランや、カタログのアイテム…
それだけからは、素敵な「家」は決して出来上がりません。
けれど、おしゃれなインテリア雑誌や、センスのいいドラマのワンシーン。
それをお手本にするのは、もちろんOK。
でも真似するだけじゃなくて、
それについて、思いっきり想像力をプラスしてみる。
そこに必要なのは、「自分のことば」。
あるいは、今までみたことがないようなぎょっとするくらい非常識なアイディアだって、遠慮しないで言っちゃえばいい。
「ふつうやらないでしょ、ソレ。」
それは、エスとの家づくりでは、最高のほめ言葉です。
自分たちの「家」なんだから、好き勝手にどんどん「空想」すればいい。
いっぱい空想したぶんだけ、自分たちの家はどんどん素敵になる。
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エスの家づくりでは、施主さんと僕との会話は、いつも「夢」や「理想」そして「無理難題」に満ち溢れています。
でも、「突拍子もない、奇抜なデザインの家」や「みんながあっと驚く家」をつくることが目的ではありません。
そして、あふれるほどの「夢」や「理想」、「無理難題」をすべて実現させること、それも目的ではありません。
家族のライフスタイルは、ヨソとはそれぞれにちょっとずつ(または随分)違う。
ヨソのお宅もきっと「こう」だよね…という予測は、たいていハズレです。
どの家族も、とっても「独特」なんです。
たとえば、僕が手掛けてきた沢山の「家」。
その家族たちは、みんな違う「ライフスタイル」や「思い」を持っている。
少しずつ似ていても、よくよく分析すれば、中身はぜんぜん違う。
あたりまえです。
人間はひとりずつ違う存在なのだし、その組み合わせたる「家族」は、無数にあり方があると言っていい。
出来上がった「家」たちは、似ているところもあるけれど、そのカタチが生み出されるまでのプロセスはそれぞれ全然違っている。
だから、
いっぱいの「夢」「理想」「無理難題」をぶつけ合う目的は、「自分たちの家とは、いったい何なんだ?」…という、根源的でいちばん大切なことを見つけることなのです。
じつは、それが見つかってしまえば、
カタチとしての「デザイン」や、空間のルールとしての「間取り」なんてのは、もはや技術的なモンダイ。
手間と時間さえあれば、わりと簡単なこと。
僕に言わせれば、「間取り」とは、家族のための「暫定ルール」にすぎない。
それ(間取り)を使いこなし、「家」に大切な意味合いを与えていくには、小手先の技術を超えた、もっと何かすごく大切なモノが必要だ。
テーマというか、コンセプトというか、「自分たちの家とは、いったい何なんだ?」… それを見つけることが、家づくりにおいて(あるいは、家族の未来にとって)最も重要である…、と僕は考えているのです。
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さて、この新プロジェクト「クウソウノイエ」も、ずいぶん沢山の白熱した議論を経て、設計作業がスタートしています。
いやあ、ずいぶん遅れちゃったな….(遅れてる理由はそれだけじゃないですが… 。スイマセン、お待たせしてます ^^)
この「クウソウノイエ」も、たくさんの独特なことが見つかりました。
いっぱいキーワードやテーマはありますが、
もっとも大切なことをひとつだけいえば、
…「空(そら)」です。
場所は東京の郊外。
ほんのりと静かに風が吹き、雲は気ままに流れる。
力強く、そしてやさしく太陽は輝く。
青空、くもり空、雨、嵐、そして星空。
夏には近くで花火もあがるね。
いろんな表情の「そら」があるけれど、
わたしたちを大きく包みこんでいるのは、たったひとつのかけがえのない「空(そら)」。
「家」もそんなふうにできたらいいな、と僕らは考えました。
そして、プロジェクト名は、「空を想う家」、すなわち「クウソウノイエ」に決定。
完成予定は、2014年の初め頃。
新しくて、独特で、すてきな家が誕生する予定です。どうぞお楽しみに!