コモレビテラスハウス。エリアに優しく存在していく建築。


竣工、引越しから5ヶ月が経過した「コモレビテラスハウス」。どんなご様子かな..と、久しぶりに訪問してきました。


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気落ちのいい季節。
オーナーさんは、じつにゆったりとお住まいになっていました。
テラス脇のスペースに、最近購入されたアンティークチェアが置かれており、そこに座って四方山話。
心地よく吹抜ける風を感じながら、のんびりと午後のひとときを一緒に過ごします。
住み心地の様子や、こんど壁にかける美術品のこと、庭の手入れのこと、そして先日の金環日食のこと..
じつはコモレビテラスハウスは、事務所から自転車で10分ほど。同じエリア内の場所です。
いつも慌ただしく仕事をしている僕としては、このゆったりした空気感のコモレビテラスハウスへの訪問は、ちょっとした気分転換タイムでもあるのです。
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ところで、僕の設計する建築は、いろんなタイプの外観をもっています。
都会的でトンガった建築を作ることもあれば、やさしく自然に目立たない建築を作ることもあります。
住宅の設計では、施主さんと沢山の話し合いをして、テーマを見つけ、住む人やエリアの状態に合わせて1つ1つ固有の意味を与えつつ、そこだけの建物を丁寧に作っていくからです。
このコモレビテラスハウスの設計で目指したのは、オーナーさんのゆったりとした穏やかな生活を支えるための家づくり。
ちょっと言いかえると、「気負いのない、自然に心が休まる場所」。
そして、「建物が静かにメッセージを発しながら、でも、エリアに優しく馴染んでいく風景」。
このテーマを共有しつつ設計した僕としては、この場所に来るとまさに「時間がゆっくり流れていく」という感覚に包まれ、つい気分が良くなってしまいます。
新しく購入されたアンティークチェアは、もうずっと昔から、この家のテラスに置かれていたようにしっくりと馴染んでいますね。
そう。落ち着いたエリアにたつ、このコモレビテラスハウスもまた、そう在りたかったわけです。

ところで、椅子がこうして既にあるわけですが、じつはテーブルはオリジナルで製作中なのです。
製作は、月と太陽の家でも素晴しい作品をつくってくださった、鍛冶作家の中澤恒夫さん。
現在、製作直前、デザイン作業の追込み真っ最中なところです。僕も、その完成がとても楽しみ。オーナーさんはもちろんすごく楽しみにしてくださってます。(ツネちゃん、ヨロシク!)
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生活が建物に馴染んできたところですから、そろそろ「完成写真」も撮らせてくださいね。
..と、お願いしつつ、おイトマ。昼間から僕は、すっかり油を売ってしまいました。
ま、いいか ^^。