先日、近所の小学校にて「ゲストティーチャー」の役目をいただき、児童たち相手にレクチャーしてまいりました。
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レクチャーを聴いてくれるのは、卒業直前の小学6年生。
コドモからオトナに変わっていくプロセス。今ようやく、そのスタート地点に立とうとしている少年少女たちです。
思い起こせば、僕が6年生だったのはおよそ30年前。
場所も時代も違うのに、何故か教室の空気はあの懐かしい頃と全く同じ。
子どもたちが「変わった」とは、よく話に聞くけれど、いやいや全然。
とてもまっすぐな眼差しでこちらを見てくれています。
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なんだか見覚えのある生意気そうな男子がひとり。
つまり「30年前の僕」がタイムスリップして来て、後ろのほうの席に座り、教壇にいる「現在の僕」の姿をじっと凝視している。
…ふと、そんな錯覚が視界をよぎります。
同じ教室の広さ、同じ天井高さ、庇の無い大きな窓、同じような床や壁、そして一番後ろの掲示板。
そう、ここは、昔とは何も変わっていない「不思議な空間」です。
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この日は、「職業について」子どもたちが学ぶ..というイベント。
僕のほかに4人の各界プロ達が、別の教室で教壇に立っています。
僕の教室では、
簡単に「仕事」を紹介したあと、さっそく「実習」を開始します。
じっさい「モノ」をつくる経験をさせてみたほうが「建築の楽しさ」が伝わると考えたからです。
実習内容は、僕の作品「バリアフリーBOX」をリフォームするというもの。
もともと、この「バリアフリーBOX」は、将来、内部の壁をすべて撤去してリフォームできるように構造設計されています。
つまり、完全に自由なリフォームが可能。
今回の実習課題では「住む人」と「住み方」を自由に設定して好き勝手にプランを考えてみることにしてみました。
時折、コツを伝授しながら、子どもたちの「自由な発想」に任せます。
しかし皆、そうとう苦労していますね。
なにしろ、「設計」なんてのは全くの初体験でしょうから。
苦労しながらも、友達とワイワイ話しつつ作業を進める姿。
とても楽しそうです。
(ちなみに、この記事の冒頭画像は僕が作成した「見本」です。)
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限られた時間、今日のところはひとまず終了。
あとは家に帰ってもっと自由にいろいろ考えてみて下さい。
自分のすみかを、自分で自由に考えることって楽しいんだよ。
それこそが「美しい人生」を形成していくための基本なんだ。
..僭越ながら、そんなメッセージを僕はこの日の授業に込めてみました。
もし、あの生意気そうな目をした「30年前の僕」がホントにいたら、このメッセージをどう捉えてくれたでしょうか。
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あの授業から1週間経った今日、どっさりと束になった子どもたちの感想文(手紙)を学校から頂きました。
どうもありがとう。
ホロリときます。
The Kids are Alright!!
THE WHOの曲が頭の中で流れます。
キミたちも頑張れよ。
オジさんはもっともっと頑張るぜ。