2010年07月31日 3. 設計のプロセス・方法

自然の風を通し、できるだけエアコンなしで過ごす


暑い。暑すぎます。
でも少しでも気温がマシな日は、できるだけエアコンを使いたくないものです。

 
・・


いわゆる「酷暑」「猛暑」ではない限りですが、
室内の気温上々を適切に押さえつつ、新鮮な風の体感できるようにすれば、けっこう心地良く過ごせるんじゃないか..と僕は考えます。
(勿論、個人差あり)


当然、外で風が吹いている日には、
その風が吹いてくる方向の窓を開いて「風の入口」をつくり、その反対側の窓から室内の空気を抜いてあげればいい。


でも、風のない日にはどうしたらいいか?


じつは外に風がなくても、建物の内部に「気流(=風)」をおこす方法があります。


「新鮮な空気(=風)」を室内に通して、
「室内にたまった暑い空気」を外に追い出す。


室内の空気ボリュームをデザインして、窓の位置を工夫することで、それが可能になります。


・・


ここで少し、
「なぜ風が吹くのか?」ということを、おさらいしてみましょう。


風の吹く理由を一言でいうと、「空気の温度差」。
たとえば、ある特定の場所に周囲より暖かい空気があるとします。暖かい空気は比重が小さいため、浮力が発生し、上にのぼります。これが上昇気流。
そして、その空気がのぼっていった跡地に周囲から温度の低い空気が流れ込んできます。
その空気の流れが、「風」です。
(エスの過去記事より再掲)


わりと単純な原理です。


これを応用すれば、外で風のない日でも、室内に「空気の流れ(=風)」を発生させることができます。
この上記のような状況を建物内部にデザインすれば良いのです。


そのポイントは、

「高い天井」
「高窓(ハイサイド窓)」
「低い窓」
「温度分布」

の4点。


方法の一例としては、

1)大きな気積を確保して、天井を高くそして斜めにする。
2)その一番高いところに「高窓(ハイサイド窓)」を。
3)高窓の反対側の低いところに「窓」。
4)それら全体は、方位や建物仕様による温度分布を適切に読み取ったうえでデザインする。

ということ。


室内の空気は、温められるほど上昇気流を発生させて天井に向かい、最後に高窓から排出される。
そのあと反対側の窓からは、代わって新しい空気が入ってくる。

いわゆる「重力換気」という効果。

適切な排出と、緩やかな外気取り入れによって、室内の過度な温度上昇が抑えられるのです。


僕の設計する住宅では、多くの場合、これを実践してデザインに取り入れています。


「風がビュンビュン吹く」というほどではないけれど、割と効果的です。(もちろん、設計のやり方により「ビュンビュン」も可能ですが..)


・・


それから、
窓の配置方法と室内気積のデザインは、そのままインテリアのビジュアル的要素となります。

なかでも、「高窓(ハイサイド窓)」はビジュアル的な効果も絶大。
一日を通して、まるで日時計のように室内に美しい光のラインを描きます。


僕のお気に入りのデザイン手法です。


・・


ひとつ注意すること。

そもそもこれは、風の弱い日(無い日)ほど有効な方法ですが、
外に風がある日は、風向に注意。
高窓が風向にむいている場合には効果が打ち消されてしまいます。

実際には、南風優位な夏場に最もふさわしいのは、北面向きの高窓。
立地条件や全体的な空間の使い勝手によっては、北面に高窓をつくることが難しい場合があります。
なかなか一筋縄ではいきません。

ベストな方法としては、
複数箇所(いろんな方向)に高窓を設置して、その日の風向によって使い分ける..というやり方でしょう。




 
加藤幸彦
KATOUYUKIHIKO


エス
一級建築士事務所:東京都第42425号
@ 東京都杉並区久我山5-6-29-301
TEL: 03-3334-3843
MAIL: katou@sp-n.gr.jp facebook: /katouyukihiko





Web更新情報
OPEN-G日記・実例集・AllAboutコラム


Copyright (c)2006 --
KATOU YUKIHIKO + S,
All Rights Reserved.


Powered by Movable Type 3.2-ja-2






-