ウッドデッキのある家、素敵だ! でも、設計での注意点あり。


ウッドデッキ・バルコニー。
ウッドデッキを2階レベルにつくるものです。
リビングルームが外に拡張された、とても気持ちのいい空間。
エスでは、これまでに多くのウッドデッキ・バルコニーをつくってきました。
自然の中でつかわれるイメージがある「ウッドデッキ・バルコニー」ですが、じつは、都市部においてこそ、その威力を発揮するのです。
ちょっと専門的な内容もありますが、
整理してまとめてみました。


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足触り感
植物を置いたり、ガーデンテーブルを置いたり、子どもの遊び場になったり..
その家族のライフスタイルが、にじみ出る場所です。
のんびり過ごすことは勿論、
素足で歩いたり、履物をはいて歩いたり。
さぞかし気持ち良いことでしょう。
僕は、ウッドデッキを作るとき、絶対に薄い材を使わないようにしています。
大切にしたいのは「足触り感」。
足の裏は、じつはとても敏感なもので、その足触りで「材の厚み」を感じとってしまいます。
素足でも、履物を通してでも、感じます。
そして不思議なことに、自分を支えている素材が薄いモノだと知ってしまうと、あまり心地良さを感じることができないのです。
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建築基準法での位置づけ
さて
ウッドデッキ・スペースは、いろんな作り方があります。
屋上テラス、
バルコニー(ベランダ)、
中庭、
…など。
そのうち、広い土地を確保しにくい都市部において、
2階の高さに「ウッドデッキ・バルコニー」を作り、その下を駐車スペースや通路などに使うケースを考えてみます。

参考マドリ
「#071 せまい土地、「裏わざテラス&車庫」

比較的よく見かける解法ですが、
この方法には注意点があります。
都市部の場合、
建ぺい率ギリギリに建物をたてることが殆どですから、
「ウッドデッキ・バルコニー」は「建ぺい率から除外される」ように作ることが必要です。
(1階の庭レベルでウッドデッキをつくる場合は、そんなこと気にしなくて大丈夫です。)
そこで皆さんが知りたいのは「どうやったら「建ぺい率から除外できるか?」ということでしょう。
「雨が下に通り抜ける構造、つまりスノコ状の床」ならば、
除外できる可能性がある…というのが基本の考え方。
雨を通してしまう「非-屋根」であれば、
それは「建築物」じゃない。
よって、「建ぺい率」に含まない。
..という理屈です。
でもじつは困ったことに、
その建物をたてる場所(行政区分)によって、その判断基準がマチマチなのです。
何故なら、建築基準法ではこのことが詳しく定められていないからなのです。
あいまいな記述の条文を、各役所が独自に解釈して運用している実態なのです。
で、近年は、役所じゃなくて民間の機関でも建築審査業務を行なっています。
それらに同じ質問をぶつけても、同様にマチマチな答え。
昔から、この問題は存在していて、
各役所には、単純に「OK」か「NG」かという判断だけがあったのですが、
最近は条件規定がより具体的になってきていると思われます。
近所の役所どうしでは、できるだけ近い考え方にしていたり、大きな行政体だと若干キビシい条件が設定されていたり…。
ある種の傾向は見られるものの、やっぱり皆、ちょっとずつ違うのです。
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実際はどうなっているか…そこが重要
たとえば、エスの近隣行政庁でのヒアリング実績(2010.5月現在)を少しだけ開示しますと..
1)地元のS区と隣のM市では、ウッドデッキの奥行き寸法2メートルで床の隙間が1cmあれば、原則として建築面積から除外できる。その基本さえ守れば、プランバリエーションも比較的自由にできそう。
2)その隣のN区とそのお隣の市では、建築面積から除外できるウッドデッキの大きさの上限が決められている。プランバリエーションも少し限定的。
3)さらに近隣のある区では、ホームページで詳しく解説していて、さらに別の裏技的なヒントも掲載。
4)多摩地方の広域を管轄する某行政庁では、なんと「原則的に、いかなるウッドデッキも建築面積に参入すべし」と。ここが一番キビシい。
5)で、民間の検査機関はといえば、非常に詳しく独自の基準を設けているところもあれば、逆に決まった考え方を持たずに、地元の行政庁の見解に従う..という姿勢のところもあります。
なかなか面白いですね。
いや、面白いっていうよりは、十分気をつけないといけない。
たとえば、新築目的で土地を購入する場合も、最初から気にしなきゃいけない重要事項だったりするのです。
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最後に..
狭い土地でも「ウッドデッキ・バルコニー」が可能か否か。
そういうことをクリアした上で、
ウッドデッキで飲むビールは、もう格別でしょうね。
これは都市住宅のもうひとつの醍醐味です。
たとえば、この過去記事「中庭のある我が家を設計してみた」では、規制された建ぺい率ギリギリまで本体をつくって、プラスアルファの2階ウッドデッキを「中庭」のようにつくっています。
(役所には「建ぺい率除外OK」との判断をもらっている事例です。)

2016年追記。
上記のように、建ぺい率の取り扱いがさまざまだった「スノコ状テラス」ですが、近年、その規定が厳格化・統一化されつつあります。しかし、エスはもちろん、魅力的なウッドデッキテラスを設計し続けていますよ^^。