2010年03月14日 3. 設計のプロセス・方法

住宅エコポイント。「お得」なのかどうか。

ここのところ頻繁に、「住宅エコポイントって、お得なんですか??」と質問を受けます。
内容が詳しく明らかになったので、早速、ざっくりとCheckしてみました。

・・

景気への即効性が狙いの政策です。
なんだかスゴい。
大盤振舞い。
ダイジョウブでしょうか...

まぁ、それは置いといて..
今回はしっかりと消費者目線にたって、考察してみたいと思います。
以下は、すべて僕の今までの経験値により推察したものですので、必ずしも一般解ではありません。記述内容による責は一切負いませんので、念のため。


さて、
この「住宅エコポイント制度では、「新築」の場合と「リフォーム」の場合、2つのパターンを想定しています。
それぞれ話を一戸建ての木造住宅に限って、少し詳しく見てみましょう。


・・


1.「新築バージョン」では、高性能でシンプルな「プチ住宅」が断然トク。


まず、一律30万円分のポイントが支給となる「新築」。

大邸宅でも狭小住宅でも、高級住宅でも、ローコスト住宅でも..ポイントは同じ30万円分。

ポイントGETのためには、
目安として、「住宅性能表示制度の等級4」を満たす程度の断熱(省エネ)性能が必要とされます。
それは現在、想定されている基準のなかでは最高レベルです。

とはいっても、無茶苦茶に建設コストがかかるような家ではなくて、まぁ「中の上」レベル。
でも、他にインテリアや外装を少し贅沢にしようとすれば、結構な「高級住宅」レベルにはなっちゃう..っていう世界です。


つまり、

ある程度のグレードで建設コストを見込んでいる場合には、30万円分のポイントはまずGET可能。
逆に、ローコスト住宅などの場合は、インテリアや外装の部分をかなり我慢しながら計画しなくちゃ、ポイントGETは難しいと思われます。
とくに、狭小規模のローコスト住宅でエコポイントGETしたい場合は、コスト的なスケールメリットが小さいため、かなり思い切ったコスト配分をする必要があると思います。


まとめると、

そこそこの予算を準備したもので、ビジュアル的な高級感よりも「居住性能」を重視した住宅がトク。さらに小さい規模であればあるほど「おトク率」が高い。..そう言っていいと思います。

もともと「高気密高断熱仕様」で計画している家ならば、確実に「お得」。
一方で、限られたローコスト仕様、断熱設計も中レベルくらいでの計画の場合は、基準適合のための性能アップによるコスト増とエコポイント支給分が、ちょうど釣り合うかどうか?...というところでしょうか。


設計者としての目線でいえば、
決して「安普請で」ということではなく、無印良品みたいなシンプルデザインで、外壁面積の小さいフラット形状として、断熱設計をきっちりやって、かつ、無理のないコスト設定をした小住宅。
一言でいえば、
クールに「モダニズム」を極めるべし。ですね。
それがひとつのです。


・・


2.じつは、僕は「リフォームバージョン」をお薦めします。


つぎに、リフォームの場合。

けっこう「新築」よりも簡単にポイントGETが可能です。
ポイント支給のために必要とされる性能数値としての基準は一切設定されていません。

リフォームバージョンでは、上記に書いたような新築における性能基準に匹敵する基準が無いのです。
ポイント支給に必要とされる条件は、ただ単純に「断熱材料」を設定された分量使うことだけです。
(新築のように「性能数値」を証明するように断熱設計する必要がないのです。)


基準の材料を用いて壁を断熱改修すれば、単純に一律「10万円分」のポイント。
同様に、天井(屋根)の断熱改修をすれば、単純に一律「3万円分」のポイント、床の断熱改修なら、一律「5万円分」のポイント。

さらに、窓の取り替え(付け足し)で、ポイント加算。

手摺などのバリアフリー改修も加えれば、最大で「30万円分」と、新築と同じだけ「もらえる」というオイシすぎる制度です。


たとえば、
「住宅エコポイント」の公式ページ(http://jutaku.eco-points.jp/point/reform.html)に、その使用数量の基準が示されています。

一般的なグラスウール断熱材(これがいちばんカサばって、お得)を例にとると、
壁と天井に、それぞれ6立方メートルの材料を使用すれば良いとなっています。
どれくらいの分量か簡単に置き換えると、それはだいたい、とても小さな住宅(20坪弱)の1軒分です。
日本の住宅で一般的な30坪程度の家だと、だいたい半分くらいの改修でイケる計算になります。


そこで、
支給されるエコポイントの「10万円分」「3万円分」「5万円分」が、実際の工事費に対してどういう割合なのか...というのを考えてみます。

ざっくり言って、
「10万円分」=「壁の断熱材料費」
「3万円分」=「天井(屋根)の断熱材料費」
「5万円分」=「床の断熱材料費」

家の形状や、断熱素材の具体的な種類にもよりますが、概ね、そう理解してよいと思います。


通常、断熱材をむき出しで用いることはないので、当然、何らかの表面仕上のコストがかかってきますよね。

ですから、単純に「断熱工事」だけを行なうのは無理。(まぁ、ウラワザもありそうですが..そこは書きません)


たとえば目的として
「今年はいっちょ、リフォームをするぞ!!」
というのがあって、そこに「断熱」とか「バリアフリー」を絡める.....

そういう場合には、ぜったいに「住宅エコポイント」を利用すべきです。


ただし、既に一定の断熱性能が確保されている家ならば当然その必要はありませんから、専門家による「事前診断」を受けたうえでの計画スタートが大切です。(くれぐれも悪徳さんには注意!)


・・


断熱改修を基本において、そこに構造補強やインテリア改修、水まわりの改修をうまくバランスさせながら計画を練れば、必ずや「おトク」となるでしょう。

目に見えるビジュアルだけをチョイチョイっていじるだけじゃなくて、性能に関わる部分から表面に出てくる部分までを全て設計すること...それが「デザイン」ってものです。


...ということで、エスでは
こういうことへのノウハウを十分に持っておりますので、ご検討の際は是非どうぞヨロシク!!
と、営業させていただきまして、本日の記事はオシマイです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





加藤幸彦/KATOUYUKIHIKO
(建築家.コンセプチュアルアーキテクト)

エス
一級建築士事務所:東京都第42425号
@ 東京都杉並区久我山5-6-29-301
TEL: 03-3334-3843
MAIL: katou@sp-n.gr.jp facebook: /katouyukihiko





Web更新情報
KATOUYUKIHIKOの関連サイト

BOOKS & MUSIC




Copyright (c)2006 
KATOU YUKIHIKO + S,
All Rights Reserved.


Powered by Movable Type 3.2-ja-2






-