2008年12月17日 7. 音楽・アート・本

Tony Smith, "Moondog" 1964(人工物または生物)

都内某所、某企業のエントランスホールにて、アメリカの彫刻家"Tony Smith"の作品に偶然、出くわす。

人工物のような、
または生物のような
巨大な彫刻作品。

・・

ずっと前から、作品実物を見てみたいと思っていたTony Smithである。

作品名は、"Moondog"。
作品の詳しい説明は、National Gallery of Art(Washington)のサイトにて。


三角形のモチーフの組み合わせという単純な幾何学原理。
一方でその「幾何学」を感じさせない「生物的」な見え方。身体が自己発生的に生成された原始生物のようにも見える。

天井の高い大きなエントランスホールの真ん中に、でんっと存在する「彫刻」。
ぐるりと周りを歩いてみたり、その彫刻の下の入って見上げてみたり。

見る角度、距離などによって、まるで違うフォルムが姿を現すのがワクワクする。


Tony Smithというひとは、かつてフランク・ロイド・ライトの弟子でもあった。彫刻家であり、建築家、という肩書きの20世紀のアーティストである。


たしか昔、どこかの洋書で作品を見てしまって以来、ず〜っと気になっていた作家だ。

この造形センスはたぶん、現代の数多くの建築家たちにも影響を与えているんじゃないか、と僕はニラんでいる。
建築家、というかそのテのセンスのある人たちには、かなり「ツボ」な造形である。

・・

ところで、
僕がぼ〜っとこの作品を眺めていると、
この企業の社員さんとおぼしき女性が寄ってきて、「このオブジェの下に立って、両手を上げて背伸びするとなんだかパワーが生まれるんですよ」、と。
さらに、「皆、元気無いときは、この下に来るんですよ。何ていう作者なのかは知らないんですけどね〜。」


そうですか。

いい役目を果たしていますね、Tony Smithさん。


作家の「名前」というブランドにひれ伏すのではなく、純粋にその作品じたいのパワーをリスペクトしている。いいじゃないですか。


さすがはアートに造詣の深い、文化企業ならでは、ですね。



 
加藤幸彦
KATOUYUKIHIKO


エス
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