黒川紀章。脚立に上ってガンガンと描いていく姿には正直びっくりしました
PHOTO "THE ARCHITECTURE OF THE JUMPING UNINERSE / Charles Jencks p.167"
黒川紀章さんが逝去されました。
ご冥福をお祈りいたします。
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建築界で、誰もその代役ができない、唯一無比の方だったと思います。
かつて何十年も昔、世界の建築界の最前線で論陣を張りながら、しかし、黒川さんによる建築の作風は世界共通のモダニズムではなかった。
むしろ生物論モデルのビジュアル化にアジア的、日本的な手法を介在させることによって特異感を見せながら、「人間が自然を克服した存在」と見なすのを回避して、むしろ「"人間"が"生物"の1種属にすぎない」という事実に根ざした新しい価値観を世界と共有しようとしていたのは、均質な工業化社会社会の完成に向かう世界の中では極めて戦略的な方法だったと言えます。
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何年も前に、僕は黒川事務所で、ひとつだけお仕事を手伝わせて頂いたことがあります。
何十人かの所員を集合させ、壁一面の巨大な白い紙にひとりで向い、ひょこっと脚立にのぼり、太いマジックでスケッチをガンガンと描いている黒川さんの姿を目撃したことがあります。
当時すでに、けっこう高齢だったはずです。
そんな黒川さんのアツい姿には正直びっくりしたのを思い出します。
情熱ですよ。
この情熱を失ってはいけない。
感動しました。
あの事務所内でのカリスマぶりのまんまで、世界の舞台で各国のトップと渡り合っていたんだろうな、と想像してしまいます。
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なんだかここ最近は、その独特のパフォーマンスで有名になっちゃっていました。
でももしかしたら、
あの最期の「道化ぶり」は、彼の戦略だったんじゃないかと僕は思います。
全18巻もの著作全集を出版し、国家プロジェクトである新国立美術館を完成、そして、ご自身の大回顧展を開催。
ここ数年の黒川さんは、人生の集大成に向かっていたように見えます。
そんな格調高い人生の締めくくりに、あのキテレツなパフォーマンス。
変な言い方ですが、あの選挙でのパフォーマンスがなかったら、彼の死はもう少し地味に扱われていたかもしれません。
若い頃から、建築界の中では最もメディアに露出し、果敢に大衆に向かっていった黒川さんです。
だから不謹慎ですが、あれは、
「人生で積み上げてきたすべて成果を今一度大衆にプレゼンするための戦略」だっだんじゃないか、と思うわけです。
黒川紀章という建築家像とその作風は、
ひとつ前の記事で書いた「さりげなさ」とは、まるで対極ですね。
最期まで、すべてが「熱い」人だった。
とても興味深い「生き様」。
常人には簡単に真似できっこないけれど、
その「生き様」の中には、僕らが学ばねばならないことが沢山ある。
今更ながら、思います。



